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軌道上炭素観測衛星(きどうじょうたんそかんそくえいせい、英:Orbiting Carbon Observatory, OCO)とは、アメリカ合衆国の地球観測衛星、及びそれを用いた観測ミッションのことである(以降この衛星をOCO衛星と呼ぶ)。NASAは宇宙から地球全体にわたる大気中二酸化炭素ガス(CO2)の量を観測しその情報を提供する事を予定していた。初号機は、2009年2月24日の打ち上げに失敗し失われてしまった。OCO衛星を軌道へと運ぶトーラスXLロケットの上昇時にペイロードフェアリングの分離に失敗したのである。フェアリングの投棄に失敗したことで予定通りにロケット全体の軽量化ができなくなった。フェアリングによる余計な重量がかさんだため、ロケットは、OCO衛星の投入に必要な軌道速度に到達することができなくなり〔CO2 satellite crashes after lift-off 〕、そのまま大気圏内に落下し、南極近くのインド洋に墜落してしまった。NASAの2010年度予算要求はOCO衛星の代替品の開発と打ち上げのために1億7000万米ドルを盛り込んだ〔〕。 == 概要 == 計画当初、OCO衛星による計測は二酸化炭素の発生源と吸収源の地理的な分布を地域的スケールでみるために充分な程の正確さになるであろうと考えられた。観測データは、全地球規模での炭素循環がどうなっているのか、そして、温室効果ガスの存在度と分布状態に影響を与える自然のプロセスと人類の活動がどう影響しあうのかという疑問への理解を深めるために役立てられるだろうと考えられた。地球温暖化を研究していた科学者たちは、当時、2つの疑問を考えていた。大気中での二酸化炭素の発生量と分配量は将来においてどのように変化するのだろうか? また、発生量と分配量の変化による地球の天候に与える影響がどのようなものなのだろうか? OCOの計測でもたらされたデータは研究を進展させ、これによって、この2つの疑問を解く手掛かりを見出し、もっと信頼できる形で気候変動の推移を予測することが可能になるだろうと期待されていた。 OCO衛星はオービタル・サイエンシズ社で製造された。カリフォルニア州デンヴァーにあるヴァンデンバーグ空軍基地からトーラスXLロケットで打ち上げられた。しかしながら、ペイロードフェアリングをロケット最終段から分離するのに失敗してしまった。ペイロードフェアリングとは二枚貝の貝殻の形をしたカバーであり、ペイロードである人工衛星を、ロケット上昇時にそれが切り裂く大気から掛かる大気力、および空力加熱から保護する役目がある。これがついたままになってしまったことで、ロケットは当初予定していた軌道を飛ぶことが出来ず、最終的には高度が足らず南氷洋に墜落してしまったものと思われる。NASAの広報官、George Dillerは「我々は今夜の打ち上げを成功させられなかった。これで、炭素観測ミッションを成功させることは出来なくなるだろう」と発言した〔NASA global warming satellite has troubled launch 〕。 OCO衛星が稼働する2年間、OCO衛星はほぼ極軌道に近い軌道である太陽同期準回帰軌道を回る予定だった。搭載機器類が地表のほぼ全域を16日間ごとに1回の頻度で観測する事を可能にするためだった。OCO衛星は、一連の他の地球観測任務に就いた衛星と、間隔を空けて並んだ一列の編成で、緩やかな編隊を組んで飛行するはずだった。これらの衛星隊列は「地球観測衛星隊列」(A-train)として知られている。この調整された飛行形態は、研究者がOCO衛星で得られたデータを他の衛星に搭載されている別種の観測機器で取得されたデータと関連付けることを可能にするためのものだった。とりわけ、地球化学者たちはOCO衛星のデータと、NASAのAqua衛星上の(AIRS)で得られたデータを突き合わせることができたかもしれない。 ミッションに掛かるコストは280,000,000USドル(US$280 million)だった。NASAの地球システム科学先駆者計画(Earth System Science Pathfinder Program)の支援を受けて行われたものだった。カリフォルニア州パサデナにあるジェット推進研究所が、としてOCO計画を管理運営している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「軌道上炭素観測衛星」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Orbiting Carbon Observatory 」があります。 スポンサード リンク
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